自然分娩と無痛分娩のメリット・デメリット【看護師ママの両方の体験談】

natural_or_epidural
マキ

こんにちは!

1人目は総合病院で無痛分娩・2人目は助産院で自然分娩した看護師ママのマキです。

「なるべく自然分娩にしたいけど、自分自身がどの程度痛みに耐えられるかわからないし迷う…」

今回は、自然と無痛、両方の分娩を体験した看護師ママの私が、それぞれのメリットとデメリットを紹介します。

この記事を最後まで読めば、どんなポイントに注意して選ぶべきか、スッキリ整理できるはず。

自分に合った選択肢が見つかるといいですね!

この記事の内容は、あくまでも個人的な経験に基づく感想であり、医療従事者としてのアドバイスではありません。出産の方法については、必ず医師とよく相談した上で決定してください。

出産の選択肢は2種類ではなく6種類

「自然分娩か、無痛分娩か」を考える上で、まず知っておきたいこと。

それは、実はどちらを選んでも痛みを経験するということです。

マキ

これ、ちゃんと意識して選べば良かった〜(泣)

例えば…

無痛分娩を選んでも、ある程度の陣痛や会陰切開後の痛みを経験します。

選択帝王切開を選んだら、産後の創部痛に悩まされます。

逆に、自然分娩で痛い思いをしても、分娩直後に痛みなくスタスタ歩ける、ということもあります。

つまり、「自然か無痛か」は、「痛みあり・なし」の選択ではなく、「どのタイミングの痛みを優先的に減らしたいか」の選択なのです。

「痛み」という切り口で考えた場合、出産の選択肢には大きく分けて6種類あります。

自然分娩無痛分娩
①助産院
②産科病院
③総合病院の産婦人科
④選択帝王切開
⑤24時間対応の無痛分娩
⑥日時制限ありの無痛分娩
「痛み」という切り口で分けた出産の選択肢の主な6種類

上の表にあるように、自然分娩と無痛分娩、それぞれに3種類の選択肢があります。

合計6つの選択肢を頭に入れて、それぞれのメリット・デメリットを見ていきましょう〜

6種類の選択肢のメリット・デメリット

出産での痛みには、ざっくりと分けて4つあります。

陣痛、分娩中のオシモの痛み、分娩後のオシモの痛み、腹部切開の創部痛です。

前述した出産の選択肢6種類に対する、痛みタイミングと程度を下の表にまとめました。

あくまでも個人的な体験と観察に基づく感想です。実際には、個人と施設の状況により一概に評価はできないことを前提に、参考までとしてください。

出産の選択肢/痛み①助産院
自然分娩
②産科病院
自然分娩
③総合病院
自然分娩
④選択
帝王切開
 ⑤24時間
無痛分娩
⑥制限あり
無痛分娩
陣痛★★★★★★★★★なし〜★なし〜★★★~★★★
分娩中のオシモの痛み★★★★★★★★★なしなしなし~★★★
分娩後のオシモの痛み
会陰切開なし
★~★★★
会陰切開少なめ〜多め
★★★
会陰切開多め
なし★★★
会陰切開多め
★★★
会陰切開多め
分娩後の腹部切開部の痛みなしなしなし★★★なしなし
お産の主な選択肢と痛みの程度
マキ

これからひとつずつ説明するので、安心してね〜

一口に「自然分娩・無痛分娩」と言っても、6種類に分けるとこんなに違います。

前述したように、どの選択肢をとっても、痛みは経験します。

「自然か無痛か」を選ぶ際には、「どのタイミングの痛みを優先的に減らしたいか」を自問することが大事。

では、6種類の違いについてひとつずつ見ていきましょう〜♪

選択肢1:「助産院で自然分娩」のメリット・デメリット

では、1つ目の選択肢、助産院で自然分娩するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

助産院で自然分娩のメリット助産院で自然分娩デメリット
-会陰切開なし
-無痛対応なし
-出産前後のサポートが手厚い傾向
-おっぱいケアが手厚い傾向
-バースプランに対応
-特定の既往症がある場合には利用できない
-合併症が判明した場合は連携病院へ
-出産中のトラブルでは連携病院に搬送
-近所にない場合が多い(選択肢が少なめ)
助産院で自然分娩するメリット・デメリット
マキ

わたしは2人目は助産院での自然分娩を選んだよ!

産後のリカバリーの早さを優先したいって場合に検討するのがおすすめだよ。

まずは、助産院で自然分娩する「メリット」から見ていきましょう。

助産院で自然分娩するメリット

助産院では、医療介入の少ないアットホームな環境で分娩ができます。

総合病院と比較して、個別のバースプランにより細かく対応してくれる助産院が多いので、出産時の環境にこだわりたい場合にもおすすめです。

会陰切開しない、麻酔対応がないからこそ、出産前の体作りのサポートが手厚い傾向があります。

オシモが切れないように、出産前からマッサージ、体操、ハーブティーなど、色々な工夫を教えてもらえます。

無痛対応がないからこそ、出産時の呼吸法の指導やメンタル面のサポートも手厚いと感じました。

マキ

麻酔に頼れないとわかっていた分、出産前の体づくりをちゃんとして出産に挑んだからか、安産だったよ〜。

何やっても褒めて励ましてくれる(笑)助産院だったから、メンタル面でもすごくよかった!

助産院で自然分娩を選んだママたちには、「総合病院の分娩で残念な思いをしたから今度はいいお産をしたい!」という意見が多くありました。

助産院で自然分娩する最大のメリットと言えるのは、分娩後のリカバリーの早さです。

助産院では、会陰切開しないし、オシモがなるべく避けないようお産をサポートする技術を持った助産師さんが多め。

私の経験上、総合病院で会陰切開した後と、助産院で会陰切開なしで分娩した後では、経験した痛みの長さと量は、雲泥の差がありました。

マキ

総合病院で会陰切開ありの分娩後、オシモの痛みから2ヶ月くらい椅子に座れず、10分以上歩けなかったわたし…

助産院での自然分娩後、スタスタ歩けた時には感激した〜(泣)

また、産後のおっぱいケアも、総合病院と比較してかなり手厚いと感じました。

初産だと、おっぱいケアの大事さにピンと来ないかもしれません。

産後におっぱいケアをしっかりしていないと、乳腺炎になることがあります。

この乳腺炎、高熱が出てかなりキツい上、ガンガン搾乳をする必要があるんです。

この、膿を含んだ母乳を絞る作業が、痛いのなんの。

産後で体はボロボロ、高熱あり、おっぱい触らなくても痛すぎる中での搾乳。

「お産では泣かなかったのに、乳腺炎で泣いた」というママも珍しくありません。

マキ

痛くて恐ろし〜い乳腺炎になる前に、助産院でものすごく丁寧におっぱいマッサージをしてもらえて、本当に助かった〜(涙)。

助産院は出産後のサポートも手厚い傾向があります。

例えば、総合病院での出産後、1ヶ月健診が終わると「じゃ、頑張って育ててください」で関係性が終了。

助産院だと、子連れで立ち寄れるランチ、おっぱいケア、メンタルケア、子育てのワークショップなど盛りだくさん。

マキ

総合病院と比較して、助産院では「これから長い間、みんなで育てていこうね」感があって安心した〜

分娩中はフルに痛みを感じるけれど、出産前から出産後を通して、ママたちの満足度は高いと感じました。

分娩中に痛みは経験するけれど、分娩後のリカバリーを優先するなら、助産院での自然分娩はおすすめです。

助産院で自然分娩するメリットのまとめ
  • 会陰切開なし
  • 無痛対応なし
  • 出産前のサポートが手厚い傾向
  • 個別のバースプランに対応
  • 出産後のサポートが手厚い傾向
  • おっぱいケアが手厚い傾向

では、次に助産院で自然分娩するデメリットについて見ていきましょう。

助産院で自然分娩するデメリット

助産院で自然分娩するデメリットは、既往症・合併症がある場合には利用できないことです。

まず、高血圧、糖尿病、高年齢など、ハイリスク妊娠と判断された場合には、そもそも助産院は利用できない可能性が大です。

助産院での妊娠健診中にトラブルが発見された場合には、連携病院に転院し、そこで健診・出産をすることになります。

そのため、助産院を選ぶ際には、必ず連携病院も見学して、連携病院のお産の方針、雰囲気、スタッフの対応の良さなどをチェックしておくことが大切です。

「助産院は気に入っていても、連携病院が気に入らない」場合には、慎重に別の選択肢も検討しましょう。

マキ

既往症・合併症がない場合でも、妊娠24〜28週くらいまでは、助産院ではなく連携病院で妊婦健診を受けることが多いよ。

また、万が一、出産中にトラブルがあった場合には、連携病院または高次病院に搬送されるということも念頭に置いておきましょう。

麻酔使用なし、陣痛が苦しい中での移動は、かなり辛い(!)と覚悟しておきましょう。

もう一つ、助産院で自然分娩するデメリットとして、選択肢が少ないことが挙げられます。

助産院の数は年々減ってきているため、近所に気に入った助産院がない、という場合も多いのです。

遠方からの通院はリスクが高く、安全のために受け入れを断られることもあります。

助産院と一口に言っても、お産に対する考え方やスタッフのスキルは千差万別。

「助産院で産む!」と決めて、近所の助産院を見学したら、「何か違う…」と感じるかもしれません。

通える範囲で心から気に入った助産院がない場合には、産科病院など他の選択肢を考慮するのも手です。

助産院で自然分娩するデメリットのまとめ
  • 特定の既往症がある場合には利用できない
  • 妊婦健診中に合併症が判明した場合は連携病院へ
  • 出産中のトラブルでは連携病院に搬送
  • 近所にない場合が多い(選択肢が少なめ)

では次に、産科に特化した病院で自然分娩するメリット・デメリットを見ていきましょう。

選択肢2:「産科病院で自然分娩」のメリット・デメリット

では、2つ目の選択肢、産科病院で自然分娩するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

産科病院で自然分娩のメリット産科病院で自然分娩のデメリット
-会陰切開なるべくしない対応の施設もあり
-出産前後のサポートが手厚い傾向
-おっぱいケアが手厚い傾向
-緊急時の帝王切開対応可が多い
-バースプランに対応
-近所にない場合もあり
-産後のオシモの痛み
産科病院で自然分娩するメリット・デメリット
マキ

助産院ではちょっと心配、でも助産師さんのサポートが手厚い環境で出産したい」って場合に検討するのがおすすめだよ。

まずは、産科病院で自然分娩する「メリット」から見ていきましょう。

産科病院で自然分娩するメリット

産科病院で自然分娩するメリットは、助産師さんのサポートが手厚い傾向があること。

マキ

総合病院と違って、たまたま配属された・産科に情熱持っていない看護師さんが担当になる可能性は低め(←実はかなり大事!)。

助産院と似ていて、お産に特化した環境なので、出産前後のサポートが手厚く、個別のバースプランにも柔軟に対応してくれる施設が多めです。

総合病院よりも、産科病院の方が、助産師さんがつきっきりでお産に付き合ってくれる施設が多い傾向があります。

「1人で放っておかれるのは心配…」という場合には、産科病院で助産師さんがつきっきりでお世話してくれる施設を選びましょう。

おっぱいケアに関しては、授乳指導に特化したラクテーション・コンサルタントさんがいる施設もあります。

助産師さんのサポートが手厚い面では、助産院と似ていますが、大きな違いは緊急時の帝王切開に対応できる施設が多いこと。

分娩中のトラブルで、麻酔なしで他の施設に移動するのはかなり辛い。

その状況を避けられるのは大きなメリットです。

会陰切開についても、助産師さんがオシモが切れないように積極的にサポートしてくれる施設もあるので、施設見学の際に直接聞いてみましょう。

マキ

わたしの場合、もし2人目の出産でいい助産院がなかったら、助産師さんのサポートが手厚い産科病院での自然分娩を選んだと思う〜

産科病院で自然分娩するメリットまとめ
  • 会陰切開なるべくしない対応の施設もあり
  • 出産前のサポートが手厚い傾向個別のバースプランに対応
  • 出産後のサポートが手厚い傾向
  • おっぱいケアが手厚い傾向
  • 緊急時の帝王切開対応可が多い

産科病院で自然分娩するデメリット

では、産科病院で自然分娩するデメリットについて見ていきましょう。

地域の総合病院と異なり、産科に特化した病院は近所にない場合もあるため、選択肢が少なめなことがデメリットとしてあげられます。

自宅から一番近い産科病院を見学して、「なんか違うな…」と感じたら、産科病院にこだわらずに総合病院も検討してみましょう。

もう一つのデメリットは、助産院と違って会陰切開が行われることも多いということ。

産科病院それぞれ、会陰切開についての積極性は異なるので、施設見学の際にあらかじめ聞いておくことをお勧めします。

産科病院で自然分娩するデメリットまとめ
  • 近所にない場合もあり(選択肢が少なめ)
  • 会陰切開した場合の産後のオシモの痛み

選択肢3:「総合病院で自然分娩」のメリット・デメリット

では3つ目の選択肢、産科病院で自然分娩するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

総合病院で自然分娩のメリット総合病院で自然分娩のデメリット
-通いやすい立地にある場合が多い
-緊急時の帝王切開対応可
-急変時に搬送される必要が少ない

-健診の待ち時間が長め
-助産に特化していない看護師も
-バースプランの対応はミニマル
-会陰切開多め
-産後のオシモの痛み
総合病院で自然分娩するメリット・デメリット
マキ

私は1人目の出産は、総合病院での自然分娩⇨途中から無痛分娩だったよ。

陣痛中・分娩中・会陰切開後の痛みはフル体験、でも近所の病院だから通院でラクしたい、という場合に検討するのがおすすめだよ。

まずは、総合病院で自然分娩する「メリット」から見ていきましょう。

総合病院で自然分娩するメリット

総合病院で自然分娩するメリットの1つは、近所で通いやすい立地にあることが多いこと。

普段は気が付かないメリットですが、体調が悪い中での妊婦健診や、ホヤホヤの新生児を連れた産後の健診の際に、移動距離が短い・交通の便がいいのは本当に助かります。

2つ目のメリットは、緊急時の帝王切開が可能なこと。

助産院での自然分娩中に、帝王切開が必要と判断された場合、麻酔なしで苦しい中搬送されることになります。

その点、総合病院での自然分娩では、万が一帝王切開となっても、苦しい中移動しなくて済むのは大きなメリットです。

総合病院で自然分娩するメリットまとめ
  • 近所で通いやすい立地にある場合が多い
  • 緊急時の帝王切開対応可

では次に、総合病院で自然分娩する「デメリット」を見ていきましょう。

総合病院で自然分娩するデメリット

では、総合病院で自然分娩するデメリットについて見ていきましょう。

総合病院で自然分娩するデメリットとして挙げられるのは、会陰切開後のオシモの痛みです。

総合病院は、産科に特化した病院と比べて、分娩の取り扱いが一括化している感があります。

そのため、自然であれ無痛分娩であれ、会陰切開は行われるものと覚悟しておくのが現実的です。

産科病院や助産院と比べると、個別のバースプランへの対応はミニマルな施設が多い傾向があります。

助産院や産科に特化した病院では、助産師さんが積極的にお産をリードしてくれることが多いのですが、

総合病院では、急変でもない限り、「生まれる直前までほぼほったらかし…」ということも珍しくありません。

マキ

初産で不安で痛すぎる中(無痛に切り替える前)、20時間以上もほぼほったらかし状態は、かなり辛かったよ…(泣)

総合病院では、助産院や産科病院と比較して、たまたま産科に配属された・特に産科に情熱を持っていないナースが担当になる確率も高めです。

「助産師さんに励ましてもらいながら陣痛と分娩を乗り切りたい」という場合には、総合病院はかなり慎重に選ぶ必要があります。

また、総合病院だけあって、産前と産後の健診時の待ち時間が長いことが多いと感じました。

総合病院で自然分娩するデメリットまとめ
  • 健診の待ち時間が長いことが多い
  • 助産に特化していない看護師も多い
  • 個別バースプランへの対応はミニマル
  • 会陰切開多め
  • 産後のオシモの痛み

選択肢4:「選択帝王切開」のメリット・デメリット

では4つ目の選択肢、選択帝王切開で出産するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

選択帝王切開のメリット選択帝王切開のデメリット
-陣痛なし〜軽度
-オシモの痛みなし
-予定が立てやすい
-術後の創部痛
-妊婦の希望で選択帝王切開できる施設は少ない
選択帝王切開のメリット・デメリット
マキ

陣痛の痛みに耐えたくないし、術後の痛みも鎮痛剤で乗り切りたい」って場合に検討するのがおすすめだよ。

選択帝王切開のメリット

選択帝王切開のメリットは、陣痛はないか軽度、分娩中・後のオシモの痛みがないこと。

また、日時があらかじめ決まっているため、出産前の準備や出産後の予定が立てやすいのもメリットです。

マキ

私が今住んでいるブラジルでは、友達のほとんどは選択帝王切開。

自然分娩できる施設を探すのが大変なほど、みんな当たり前に選択帝王切開だよ〜

選択帝王切開のメリットまとめ
  • 陣痛なし〜軽度
  • 分娩中・後のオシモの痛みなし
  • 日時が決まっているため予定が立てやすい

選択帝王切開のデメリット

選択帝王切開のデメリットは、術後の創部痛

帝王切開後のママは入院中、点滴台などに必死につかまりながら、お腹をかばってくの字になって、そ〜っと廊下を歩く感じ。

創部痛がどれだけ続くかは人によりますが、しばらくは多めの鎮痛薬に頼る状況になります。

そのため、産後の鎮痛剤の使用に抵抗がある場合には、選択帝王切開は向いていないかもしれません。

また、一般的に日本では、「前回の出産が帝王切開であった場合」や骨盤位などの「ハイリスク妊娠と判断された場合」には、選択帝王切開が行われます。

医学的理由がない場合に、妊婦さんの希望だけで選択帝王切開を選べる施設を日本で探すのは結構大変です。

マキ

日本で、妊婦さんの希望で選択帝王切開を選んだっていう人は知っているけれど…

実際にサーチしてみると、「妊婦の希望のみを理由に選択帝王切開をやっています!」と声を大にして謳っている施設は見つからず…

希望により選択帝王切開で出産したい場合には、「医師が認めた場合にのみ可能」(グレー笑!)、というのが日本の現状のようです。

そのため、日本で医学的理由なしに選択帝王切開で出産したい場合には、プライベートな病院や医師とのコネクションや追加費用などが必要かと思います。

選択帝王切開のデメリットまとめ
  • 術後の創部痛
  • 妊婦の希望で選択帝王切開できる施設は少ない

選択肢5:「24時間対応の無痛分娩」のメリット・デメリット

では5つ目の選択肢、24時間・365日対応無痛分娩のできる施設で出産するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

24時間対応無痛分娩のメリット24時間対応無痛分娩のデメリット
-陣痛は軽度
-分娩時の痛みはなし〜軽度
-誘発せずに済む場合も

-分娩がある程度進んでからの麻酔となることも
-会陰切開多め
-産後のオシモの痛み
24時間対応の無痛分娩のメリット・デメリット
マキ

会陰切開後の痛みは経験するけど、分娩中はラクがいい」という場合におすすめだよ!

24時間対応無痛分娩のメリット

24時間・365日無痛分娩対応のある施設で出産するメリットは、分娩時に痛みを感じないのでラクなこと。

後述する日時制限がある無痛分娩対応の施設と違って、妊婦さんのタイミングに合わせた対応が可能。

そのため、無痛分娩に際して病院やスタッフの都合に合わせるために必ずしも誘発分娩しなくて済むメリットもあります。

自然に陣痛が進んできて、妊婦さん自身が「麻酔が必要」と感じたら麻酔を開始する、ということもできます(オンデマンド無痛分娩)。

24時間対応無痛分娩のメリットまとめ
  • 陣痛は軽度
  • 分娩時の痛みはなし〜軽度
  • 誘発せずに済む場合もあり

24時間対応無痛分娩のデメリット

24時間・365日無痛分娩対応のある施設で出産するデメリットは、会陰切開が多めなことです。

麻酔していることをいいことに(苦笑)、じゃんじゃん当たり前に会陰切開が行われます。

また、会陰切開の後には会陰縫合が待っています。

マキ

会陰切開後の麻酔が切れ出した頃に受けた会陰縫合が、すごい痛くて不快だった(泣)。

私の苦しみを横で見ていた看護実習生の顔がマジで青ざめてた(苦笑)!

そのため、分娩中はラクしても、産後しばらくはオシモの痛みと付き合うことになると覚悟しておきましょう。

もう一つのデメリットは、ある程度強い陣痛を経験する可能性もあることです。

自分にとっては「かなり陣痛が辛い」と感じても、医療スタッフから「まだ進んでいない」と判断されて、すぐに麻酔をしてもらえない場合も多々あります。

「24時間・365日対応だから大丈夫〜♪」って安心しきっているのは危険。

いざ陣痛が始まった時に、「こんなはずじゃなかった!」と焦ることになります。

24時間・365日無痛分娩対応であっても、陣痛の際の呼吸法や精神面での準備はしておくのが賢明です。

24時間対応無痛分娩のデメリットまとめ
  • 会陰切開多め
  • 産後のオシモの痛み
  • 分娩がある程度進んでからの麻酔となることも

選択肢6:「日時制限ありの無痛分娩」のメリット・デメリット

では最後に、6つ目の選択肢、日時制限ありの無痛分娩のできる施設で出産するメリット・デメリットを見ていきましょう。

ざっくりとしたメリット・デメリットを下の表にまとめました。

日時制限あり無痛分娩のメリット日時制限あり無痛分娩のデメリット
-陣痛は軽度~重度(麻酔のタミングによる)
-分娩時の痛みは軽度~重度(麻酔のタイミングによる)
-麻酔医の予定に合わせて誘発することが多い
-無痛対応が間に合わないこともある
-会陰切開多め
-産後のオシモの痛み
日時制限ありの無痛分娩のメリット・デメリット
マキ

「自然分娩で行くつもり、でもお守り程度に無痛のオプションも残しておきたい」という場合におすすめ!

私は1人目はこのオプションを選択したよ。

日時制限あり無痛分娩のメリット

日時制限ありの無痛分娩のメリットは、麻酔のタイミングによっては陣痛や分娩時の痛みは軽度で済むことです。

地域の総合病院の産科の中で、日時制限ありの無痛分娩ができる施設は増えてきています。

反対に、24時間・365日無痛分娩対応ができる施設は、産科に特化した小規模な病院が多めです。

そういった産科病院は今でも数が限られており、住んでいる地域にないということもあり得ます。

その点、総合病院は交通の便の良いことが多いので、「通院でラクしたい」または「地方に住んでいる」場合には検討すべき選択肢と言えます。

私の場合、1人目で総合病院を選んだのは、助産院や小さめの産科病院と違って、緊急時の対応の幅が広いこと。

マキ

1人目は特に、「最悪の事態」を考えて慎重になるよね!

さらに、「自然分娩で頑張るつもり、でも念のため無痛分娩に切り替えられるようにしておきたい」と思って総合病院での(日時制限あり)無痛分娩を選びました。

日時制限あり無痛分娩のメリットまとめ
  • 陣痛は軽度~重度(麻酔のタミングによる)
  • 分娩時の痛みは軽度~重度(麻酔のタイミングによる)

日時制限あり無痛分娩のデメリット

では、日時制限あり無痛分娩のデメリットについてみていきましょう。

マキ

個人的にはデメリットを濃ゆく経験したので、全体的に内容がネガティブごめんなさい!

良い経験をした人にも、必ず話を聞いてみてね。

デメリット1:誘発分娩がセットなことが多い

日時制限あり無痛分娩のデメリットの1つ目は、麻酔医がいる時間帯やスタッフが多い時間帯に合わせて誘発分娩がセットで行われるケースが多いこと。

そのため、「自然な陣痛を待って、赤ちゃんのタイミングに合わせてお産をしたい」という場合には、24時間無痛分娩対応の施設を選ぶ必要があります。

マキ

「24時間365日・無痛分娩対応」と謳っていない場合、日時制限ありなことがほとんど。

日時制限ありの施設では、誘発分娩がセットでついてくる場合が多いから注意!

さらに、これは誘発分娩と自然分娩の両方を経験した私の個人的な意見ですが…

誘発分娩の陣痛は自然分娩の陣痛よりかなり痛かったです。

1人目の出産時(総合病院)、薬で誘発した陣痛は、不自然に激しくて、もう死にたいと魔がさすほど痛かったです。

マキ

ただし、誘発と麻酔を同時にスタートした場合には、このような痛みは経験する可能性は低いよ〜

2人目の出産時(助産院)、自然に起こった陣痛は、徐々に徐々に…という感じで、なんとか耐えられる痛みでした。

日時制限ありの無痛分娩を予定している場合には、誘発分娩についてもよく調べて心の準備をしておくのがお勧めです。

デメリット2:無痛対応が間に合わないこともある

日時制限あり無痛分娩のデメリットの2つ目は、無痛対応が間に合わないこともあることです。

私の場合、総合病院の産婦人科で自然分娩を予定し、念のため無痛分娩にも同意して、お産に挑みました。

予定日を超えていたので、誘発分娩が行われました。

誘発から12時間ほど経った時点で、「痛みも体力も限界」と判断し、麻酔をリクエストしましたが、麻酔できる医師はいませんでした(ドドーン!)。

その時点から12時間以上苦しみ続け、やっと麻酔をしてもらえました。

マキ

「耐えられなかったら麻酔してもらうから大丈夫」をいいことに、呼吸法もメンタル面もあんまり準備してなかった〜(泣)

27時間のお産で、麻酔のメリットに預かったのは、最後の2~3時間だけ(チーン)。

今から思い返すと、無痛分娩対応に安心しきっていて、「日時制限があるか・ないか」に注意を払っていませんでした。

そのため、「耐えられなくなったら無痛分娩に切り替えられます」との説明を受けて、オンデマンドで麻酔してもらえると勝手に解釈してました。

「無痛分娩できると思っていたのに、生まれる直前まで麻酔してもらえず、しかも誘発した強力な陣痛に長時間耐えなければならない」という最悪な状況。

私のような経験をしないように(苦笑)、無痛分娩対応可と言われても、スタッフの状況による日時制限のあり・なしを必ず確認しましょう。

さらに、日時制限がある場合には、結局自然分娩になることも想定範囲内として、呼吸法はメンタル面での準備をしておくことをお勧めします。

デメリット3:会陰切開が多め

日時制限ありの無痛分娩で出産するデメリットの3つ目は、会陰切開が多めなことです。

これは24時間無痛分娩対応でも同じことですが、麻酔していることをいいことに(苦笑)、じゃんじゃん当たり前に会陰切開が行われます。

また、会陰切開の後には会陰縫合が待っています。

そのため、分娩中はラクしたとしても、産後しばらくはオシモの痛みと付き合うことになると覚悟しておきましょう。

マキ

私の場合、1人目(総合病院での日時制限あり無痛分娩)の出産後、オシモが痛くて2ヶ月くらい椅子に座れなかったし、10分以上歩けなかったよ。

日時制限あり無痛分娩のデメリットまとめ
  • 麻酔医の予定に合わせて誘発することが多い
  • 無痛対応が結局間に合わないこともある
  • 会陰切開多め
  • 産後のオシモの痛み

結論

それでは、おさらいです。

「痛み」という切り口で考えた場合、出産の選択肢には大きく分けて6種類あることを紹介しました。

自然分娩無痛分娩
①助産院
②産科病院
③総合病院の産婦人科
④選択帝王切開
⑤24時間対応の無痛分娩
⑥日時制限ありの無痛分娩
「痛み」という切り口で分けた出産の選択肢の主な6種類

前述した出産の選択肢6種類に対する、痛みタイミングと程度を下の表にまとめました。

「自然か無痛か」を選ぶ際には、「どのタイミングの痛みを優先的に減らしたいか」を改めて自問しましょう。

出産の選択肢/痛み①助産院
自然分娩
②産科病院
自然分娩
③総合病院
自然分娩
④選択
帝王切開
 ⑤24時間
無痛分娩
⑥制限あり
無痛分娩
陣痛★★★★★★★★★なし〜★なし〜★★★~★★★
分娩中のオシモの痛み★★★★★★★★★なしなしなし~★★★
分娩後のオシモの痛み
会陰切開なし
★~★★★
会陰切開少なめ〜多め
★★★
会陰切開多め
なし★★★
会陰切開多め
★★★
会陰切開多め
分娩後の腹部切開部の痛みなしなしなし★★★なしなし
お産の主な選択肢と痛みの程度

「どのタイミングの痛みを優先的に減らしたいか」に答えられたら、ほぼ選択肢が絞られてきたかと思います。

さらに、それぞれの選択肢のメリット・デメリットを考慮した上での結論を下の表にまとめました。

出産の選択肢こんな人向き
助産院で自然分娩自然分娩をフル体験したい、分娩後の痛みとリカバリーは早めが助かる。
産科病院で自然分娩助産院は心配、でも一般病院よりは助産師さんのサポートが手厚い環境で分娩したい。
総合病院の産婦人科で自然分娩陣痛中・分娩中・会陰切開後の痛みはフル体験、でも近所の病院だから通院でラクしたい。
選択帝王切開出産の痛みに耐えたくない、術後の痛みは鎮痛剤で乗り切る。
24時間対応の無痛分娩陣痛の痛みと会陰切開後の痛みは経験するけど、分娩中はラクがいい。
日時制限あり無痛分娩自然分娩で行くつもり、でもお守り程度に無痛のオプションも残しておきたい。
痛みという切り口での出産の選択肢とそれぞれに向いている人

この記事の内容は、あくまでも個人的な経験に基づく感想であり、医療従事者としてのアドバイスではありません。出産の方法については、必ず医師とよく相談した上で決定してください。

まとめ

今回は、自然と無痛、両方の分娩を体験した看護師ママの私が、それぞれのメリットとデメリットを紹介しました。

それぞれのメリット・デメリットを整理して、自分に合った選択ができるといいですね♪

マキ

妊娠おめでとうございます!

いいお産になりますように。

最後まで読んでくださり、ありがとうございました。