日本で子育て中、子どもが年中さんくらいになった頃から、
「心から行かせたいと思える学校が全然ない…」
「あったとしても遠いか高い…」
とかなり悩んでいたわたし。
今回は、オンライン・インターナショナル小学校の入学方法を、実際に体験してわかったポイントとともに紹介します。
今や、日本で通える範囲で行かせたい小学校がない場合、どんどん進化している海外のオンライン・インターナショナル小学校も視野に入る時代。
新しい進学の選択肢の一つとして、ぜひ参考にしてみてください♪
もくじ
オンライン・インターナショナル小学校って何?
オンライン小学校とは、学校という建物に通学する必要のない小学校です。
その中でも、国外・海外を問わず生徒を受け入れている小学校が、オンライン・インターナショナル小学校です。
いわゆるホームスクールの一種です。
一般的に、ホームスクールというと、州や団体から学校として認定されていないカリキュラムも多く含まれます。
ホームスクールの中でも、「オンライン(通信制)小学校」は、州や団体から認定された学校。
もちろん、高校まで進めば卒業証書やディプロマも取得できます。
例えば、最近では日本家庭向けにこういう小中高校の選択肢↓(WAIS)も出てきていますね。
従来の学校と学習基準は同じなのに、学ぶ場所・時間・スピードはフレキシブルなのが、オンライン(通信制)小学校です。
日本では、「通信制」や「ホームスクール」というと、不登校?いじめ?変わり者?というふうに、ネガティブ・特殊なイメージがあるかもしれません。
と・こ・ろ・が…
日本の外では、もうそんな時代はとーっくに終わってるよ〜!
アメリカでは、今や公立の小中高校も、オフライン(通学制)かオンライン(通信制)かを気軽に選べる時代になっています。
例えば、オレゴン州の公立小中高校。
Oregon Connections Academyでは、キンダーガーテン(5歳)から高校(18歳)まで、オンライン(通信制)のオプションを選べます。
公立なので、もちろん授業料は無料!
時間効率が特に大事なアーティストやアスリートの子どもたちも、積極的に通信制のオプションを選んでいることがうかがえます。
うちはアスリートとかではないけど、単純に時間の質と効率を超重視する家庭(笑)。
オプションで、部活、生徒会、スポーツチームにも入れたり、オンライン上のイベントも用意されています。
そのため、1人で集中したいことは1人で、グループでやりたい活動はグループで、と使い分けることが可能。
「学校に子どもを合わせる」んじゃなく、「子どものニーズに合わせて学校を利用する」というスタンスだね。
「ホームスクール」=「引きこもり、孤独、コミュ障、特殊な事情のある家庭」というのは時代遅れな誤解なのです。
また、ホームスクールといっても、必ずしも親が一日中家にいなければならないわけではありません。
親の仕事の都合などにより、ホームスクールの管理をチューターさんにアウトソースする家庭もたくさんあります。
居心地のいい家で、自分のペースで勉強し、個別対応してもらえる。
仲間とやりたいことは、仲間と。
ある意味、かなり贅沢だよね!
また、特に英語圏の国では各地でホームスクーラーのコミュニティがあります。
コミュニティーを通して、キャンプ、スポーツ、アート、イベントを通しての交流が活発に行われています。
例えば、米国のWild+Freeのホームスクールのグループ活動を見てみてください(Wild +Freeのグループ)。
特に動画観てみて〜!素敵すぎる…!
海外の「ホームスクール」や「通信制」は、多くの日本人が想像するものとは全く異なる、新しい教育の選択肢なのです。
では次に、アメリカの通信制小学校を選ぶ理由について見ていきましょう〜
オンライン・インターナショナル小学校を選ぶ理由
オンライン・インターナショナル小学校を選ぶメリットはたくさんあります。
わたしが特に魅力を感じるメリット8つは以下です。
- 世界のどこからでも通える
- 年間スケジュールが自分で決められる
- 学習のペースを他の生徒に合わせる必要がない
- 時間効率が高いから残りの時間を活用できる
- 通学に関わる時間・お金・労力のカット(通学時間、交通費、制服、バッグ、送り迎え、通信費、お弁当など)
- 国籍・文化背景・年齢の異なる生徒や先生と関われる
- 英語を公用語として使うことに慣れることができる
- 高校まで進んだ場合、大学や仕事の選択肢が世界中に増える
わたしの場合、学校での「お勉強」はミニマルでよく、むしろ学校外での遊びや体験を大事にしたいから、時間効率がいい通信制を選んだのが大きいよ。
メリットを見返してみて思うのは、オンライン・インターナショナル小学校での学びのスタイルは、従来の学校と比べて社会の変化をよりリアルに反映しているということ。
世の中では、国をまたいでリモートワークし、必要に合わせて英語を公用語として協力しあいながら問題解決に取り組むスタイルに変わってきています。
実際、わたしもそう働いているから、その姿を見ている子どもたちにとってはごく自然なのかも。
自分1人でできることは、自分の好きな場所で、自分のペースで仕事する(学ぶ)のが一番生産性が高い。
チームワークが必要な場面では、集まって仕事する(学ぶ)。
そんな時間効率の良さを、わたしは気に入っています。
仕事でも学校でも、「現実離れ」と「意味と根拠に欠ける時間の使い方」がめっちゃ苦手〜(笑)
もちろん、従来のオフラインと新しいオンライン小学校のそれぞれに「メリット・デメリット」があります。
また、子どもの「合う・合わない」もあると思います。
ただ、個人的には、時間の使い方について「学校に子どもを合わせる」のではなく、「子どものニーズに合わせて学校を利用する」というスタンスにとても魅力を感じます。
ちなみに、通信制の学校に通っていても、毎日地域のおともだちと外でいっぱい遊んでるよ〜
普通の学校に行ってた時より、むしろお友達と遊べる時間が増えたそう。
オンライン・インターナショナル小学校に入学する方法
次に、国外からアメリカのオンライン・インターナショナル小学校に入学する方法について、わたしの体験をもとに説明します。
ここからは、アメリカのオンライン・インターナショナル小学校を例にして紹介するよ〜
必要な国籍
まず、国籍についてです。
例えばアメリカの公立のオンライン小学校であれば、国籍というよりも、対象の自治体に住んでいることが条件となることがあります(オレゴン州の例)。
公立学校(市町村立など)の運営は自治体の住民の税金を資源にしている部分が大きいからです。
ただし最近では、特に州立の学校で、海外の学生を受け入れる学校が増えてきています。
私立の場合、稀に例外はあるかもしれませんが、住所は関係ありません。
私が選んだのは、私立大学附属のインターナショナル小学校。
ミッションとして、世界中の子どもたちを受け入れることを重視しているので、アメリカ国籍がなくても、出願できました。
わが家のように、「アメリカ国籍なし・アメリカに住んでいない」場合、州立または私立でダイバーシティを重視している学校をまず検討するのがおすすめだよ〜
必要な英語力
必要な英語力は、学校と学年によって異なります。
わたしたちの場合、英検のように、英語力のみを測る目的の試験や面接はありませんでした。
その代わり、英語での学力を測るための、ポートフォリオ・レビューがありました(詳しくは後述します)。
一般的に言えるのは、1年生であればアメリカ現地の1年生の英語力から大きな差のない英語力が求められます。
全部の学校の状況はわかりませんが、英語力を測る目的のテストや証明を求められることもあるという前提で準備しておくのが無難です。
結果によっては、一つ下の学年を勧められることもあるよ。
また、以前にアメリカの州や団体が認定する学校やホームスクールに通っていた場合には、成績表の提出だけで良い場合もあります。
必要な学力
次に、必要な学力についてです。
通信制小学校に入学・編入するために必要な学力は、学校により異なります。
学力を測るといっても、そこまで緊張する必要はありません。
アメリカは、現時点での学力に適した学年に入ることになっています。
日本と異なり、年齢が上がれば自動的に学年が上がる方式ではありません。
そのため、学力テストは、いわゆる合否を決める「お受験」ではなく、適切な学年に入学させるための「情報集め」なのです。
情報集めの材料として使われるものの例を表にまとめます。
- アメリカで認定されている学校からの公式の成績表
- 学校独自の試験や面接
- 共通テストのスコア
- ポートフォリオ・レビュー
わたしたちの場合、アメリカの学校の成績表はなかったので、代わりにポートフォリオ・レビューが求められました。
ポートフォリオ・レビューとは、子どもの取り組んだ読み書き計算などの記録を教員がレビューして、どの学年に入学するのが適切かを見分ける作業のことです。
例えば、2年生に編入するために必要なポートフォリオ・レビューにはこんなものが含まれていました。
Handwriting – アルファベット、名前、文章の筆記をスキャンしたもの
Reading – 現時点で読める文章を音読している様子の動画
Math – 直近の算数のテストやワークシートをスキャンしたもの
もちろん、全て英語でなければなりません。
これらの資料をメールで教員に送り、数日で評価が返ってきました。
もちろん、結果がどうなるのか、それなりにソワソワしたけど…
日本でイメージするお受験と比べたら、かなり単純明快な作業。
ポートフォリオ・レビューやテストなどで適切な学年の評価が下りたら、該当学年の出願手続きをします。
必要な事務手続き
次に、出願に必要な事務手続きについて、体験をもとに紹介します。
わたしたちの場合、提出が必要だった書類や情報は以下です。
- 出生証明書またはパスポート
- 住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先
- 生徒の顔写真
- 保護者の情報
- 過去に通った学校の情報
- 英語以外に話せる言語
どれも、「合否を決める」ものではなく、「情報収集」が目的の作業です。
オンラインで入力・アップロードできるので、15分ほどであっさり終わりました。
オンライン・インターナショナル小学校の入学手続きのポイント
最後に、実際にアメリカのオンライン・インターナショナル小学校に入学・編入してみてわかった、入学手続きのポイントを紹介します。
主なポイントは3つです。
- 年齢が低いほど入学のハードルが低い
- 英語での基本的な読み書き・計算に慣れておく
- 予定スタート時期より早めに出願する
それでは、一つずつみていきましょう〜♪
年齢が低いほど入学のハードルが低い
1つ目のポイントは、入学・編入の年齢は低いほどハードルが低いこと。
例えば、わたしが選んだインターナショナル小学校。
キンダーガーテン(5歳)や1年生(6歳)は、ポートフォリオ・レビューも成績表も必須ではありませんでした。
2、3年生では、成績表またはポートフォリオ・レビューが必須。
4年生以降では、共通テストを受ける必要がありました。
もちろん、学校により必要な条件は異なりますが、特に英語ノンネイティブの場合には、年齢が低いうちから入学してしまうほうがハードルが低いと言えます。
ただし、いったん入学しても、日本と違って毎年自動的に学年が上がる保証はないから注意。
毎年、成績によって適切な学年に配置されることを忘れずに〜
英語での基本的な読み書き・計算に慣れておく
2つ目のポイントは、英語での基本的な読み書き・計算に慣れておくことです。
前述したように、出願する際には、「英語力」ではなく「英語での学力」知るための材料を求められます。
そのため、面接、テスト、またはポートフォリオ・レビューが必要なことがほとんどです。
簡単な質問に答える、算数のワークシートに記入する、音読をビデオで撮影・録音される…
そのようなことを、リラックスした環境で普段からさりげなく練習しておくと、変に緊張せずに済みます。
特に録画されるのは苦手だったから、慣れるまでに時間かかったよ〜
予定スタート時期より早めに出願する
3つ目のポイントは、予定スタート時期より早めに入学手続きを始めること。
ちなみにこれは、入学する月を自分で決めていい学校に関して言えることだよ。
理由は2つ。
1つ目の理由は、アメリカから教科書や本をオーダーする必要がある場合に、配送に予想以上に時間がかかることがあるから。
ホームスクールでは、取扱いの少なめな本の指定があることが多いから注意。
2つ目の理由は、届いた教科書や資料に目を通したり、ルーティンを決めたりするのに、チューター側(自分または雇った誰か)の準備に時間が必要だから。
半日は仕事、半日ホームスクールしている私の場合、少なくとも2週間は準備期間が必要と感じるよ〜
例えば、日本に合わせて4月に小学1年生に入学したい場合。
まず、学校のウェブサイトなどで、出願から入学までにどのくらい時間がかかるのかを確認します。
もし、「5〜10日間」とあれば、3月の中旬に出願すればいいと考えがちですが、それでは遅い可能性が高いです。
教科書をオーダーしてから届く時間、資料に目を通す時間、年間予定やルーティンを決める時間…
色々逆算すると、遅くとも2月中、つまり入学したい月の2ヶ月前には出願しておくのが賢明だと感じました。
ちなみにこれは、「5~10日間」より長くかかる場合には、さらに1ヶ月早めがおすすめだよ。
まとめ
今回は、オンライン・インターナショナル小学校の入学方法を、実際に体験してわかったポイントとともに紹介しました。
今や、日本で通える範囲で行かせたい小学校がない場合、どんどん進化している海外のオンライン・インターナショナル小学校も視野に入る時代。
教育の選択で迷ったときに大事なのは、自分たちの視野を広げてできる限り選択肢を増やすこと。
日本でも、海外でも、納得した選択ができるといいですね♪
最後まで読んでくださり、ありがとうございました!
(日本語対応ありの小中高校の選択肢はこちら↓)
こんにちは!
ブラジルに住み、日本とリモートワークし、子どもはオンライン・インターナショナル小学校に通っているママ、マキです。